ラム

家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2025/04/20
リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、どのような融資制度ですか?

Q
今月のご相談

 妻は数年前に他界し、子供たちはそれぞれ独立してマイホームを所有しています。そのため私が所有する自宅は私が死んだ後には不要となる一方で、今後のことを考えると保有している預金残高に不安があります。そのような中、所有している自宅の活用方法として、「リバースモーゲージ」という融資制度があると聞きました。これはどのような融資制度なのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 リバースモーゲージとは、「自宅(土地建物)を担保にして銀行等から融資を受け、死亡時に自宅を売却することで元金を一括返済する」融資制度のことです。活用にあたっては、条件等をよく理解することと、将来相続人となるお子様たちと、十分に話し合われるとよいでしょう。

A-2
詳細解説
1.通常の融資との違い

 通常の融資は、自宅等を担保に融資を受けて、毎月決まった額を返済していくものが一般的です。一方で、リバースモーゲージは、自宅を担保に毎月一定額あるいはまとまった額の融資を受け、期日(死亡時or契約満了時)まで返済の必要がない融資になります。

 自宅(不動産)は有しているものの、手元の資金に余裕がないケース、相続人が不在で、所有している不動産(自宅)を生前に有効活用したいと考えるケース等で活用されています。

2.リバースモーゲージの特徴

 リバースモーゲージの特徴は下記のとおりです。なお、融資制度や条件等は金融機関により大きく変わりますので、一般的な概要としてご説明いたします。

  • 借入金の返済は、下記のいずれかの期日が到来した際に、担保提供した自宅を売却した資金で一括返済する。
    1. @ 所有者が死亡した時
    2. A 契約期間満了時
  • 商品によっては所有者の死亡などの契約終了時に元利金の返還を求められるものもあれば、毎月利息分の支払いを求められるものもある。
  • 融資の形は、毎月一定額を受け取る「年金型」、まとまった金額を一括して借りる「一括融資型」、決められた融資枠内で自由に引き出しができる「自由融資型」が一般的。
  • 融資限度額は担保提供する不動産の評価額に対して何%等、上限が決まっている(50%程度の金融機関が多い)。
3.リバースモーゲージのメリット・デメリット

 考えられるメリットとデメリットは、下記のとおりです。

【メリット】

  • 自宅に住みながら融資を受けることができる。
  • 高齢者が利用できる融資制度。毎月一定額を受け取る年金替わりとして利用が可能。
  • 生前に財産(不動産)を換金できるため、財産を有効に使うことができる。

【デメリット】

  • 金融機関によって、対象物件に条件が設定されていることが多い。特にエリアは都心部に限られることが多い。
  • 担保提供する自宅の評価額をもとに借入額が決まるため、不動産価格が下落すると借入可能額が下がる(評価額は定期的に見直されることが多い)。
  • 変動金利の融資の場合、金利が上昇すると借入可能額が減少する可能性がある。また、住宅ローンと比較すると金利が高い。
  • 長生きした場合、融資枠を使い切る可能性がある。また、生きて契約期間満了を迎えた際には、借入金を一括返済する必要がある。
  • 借入金の返済のために原則売却することになるので、その自宅を相続できない可能性が高い。したがって相続人全員の同意が求められることが多く、同意が得られなければ利用できないことが多い。
  • リコース型(※1)の場合、担保提供した物件を売却し、返済した後に債務が残る可能性があり、それらが相続人に請求される(ノンリコース型(※2)を選択すればこのリスクはない)。
  1. (※1)リコース型とは、融資を受けた債務者が支払い困難な状態になっても、最後まで融資を返済する義務を負う融資形態
  2. (※2)ノンリコース型とは、担保などの責任財産を処分すれば、それ以上の返済義務を負わない融資形態

 特にデメリットとして「不動産市況」や「金利」、「寿命」等、コントロールできないリスク要因があります。利用を検討される場合、融資条件等をよく精査し、将来相続人となるお子様方としっかり協議をした上で検討されることをお勧めいたします。

 本記事はリバースモーゲージをお勧めする記事ではありません。また、融資制度や条件は金融機関によって変わります。詳細は各金融機関にご確認ください。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。


Office Profile

お電話でのご相談は

052-202-1470

月曜日〜土曜日 9:00〜18:00


メールでお問い合わせ

Contact