文書作成日:2024/02/05
噛む力が弱まっても、美味しく食べられる工夫を!
食べることは健康の基本ですが、噛む力は年齢と共に弱まる傾向にあります。ただ噛む力が衰えても、工夫次第で無理なく美味しく食べることはできます。今回は、いつまでも食を楽しめる方法についてご紹介します。
1
こんなことがあったら、噛む力が弱まっているサイン
以前と比べて次のようなことが増えていたら、噛む力が弱まっているのかもしれません。思いあたることはないか、確認してみましょう。
- □ 最近、滑舌が悪いと感じることがある
- □ 食事中に食べこぼしをすることがある
- □ 硬いものが噛みにくいときがある
- □ 口の中に食べ物が残っている場合がある
- □ 口の渇きを感じることが増えた
- □ 汁物や飲み物を口にしたとき、むせることがある
当てはまるものが多いほど、お口のトラブルが始まっていると考えられます。必要に応じて食事に配慮したいものです。
2
食べにくいもの、食べやすいものとは?
噛む力が弱まってくると、食べにくいものは誤嚥の原因となります。できるだけ食べやすいものを選びましょう。
食べにくいもの
- ひき肉、おから、ピーナッツなど、バラバラする食べ物
- パン、クッキーなど、パサつきやすい食べ物
- たこ、いか、りんごなど、噛み切りにくい食べ物
- ワカメ、海苔、餅など、ペタリと張りつく食べ物
食べやすいもの
- 固さが均一でやわらかいもの
…スプーンでつぶせるぐらいのやわらかさが目安。 - 小さめで口に一度で入るもの
…噛み切る必要のない一口サイズが理想的。 - 口の中でまとまりやすいもの
…バラバラにならず飲み込みやすいものが安心。
3
いつもの料理をひと工夫でもっと食べやすく!
噛む力が弱ってきたら、料理にひと手間加えることで飲み込みやすくなります。
- とろみをつける
…煮物を餡かけやとろみをつけて食べやすくしましょう。 - 油分をプラスする
…卵や根菜類は油やドレッシング等を足せば、喉の通りがよくなります。 - つなぎを入れる
…ひき肉は小麦粉、卵などでまとめると飲み込みやすくなります。
とろみをつける際は、片栗粉、くず粉などを使って調整してください。ゼラチンは口の中の体温によってやっと溶けるものなので、誤嚥防止のとろみづけには向いていません。
4
噛む力を弱らせないためには、お口の健康が大切に
噛む力が弱ってきたからといって、噛まなくていいものばかり食べていると噛む力がさらに低下し、やわらかいものしか食べられなくなる心配があります。まずは、嚙み合わせや歯・歯茎などにトラブルがないか歯科で確認し、治療できるところは治すことが大切です。今よりも噛める状態になれば、食べられるものも増え、栄養も摂りやすくなります。
噛む力を十分に発揮するには、食べる際の姿勢にも気を配りたいもの。首はまっすぐでなく、少し前に曲げた状態の方が飲み込みやすいといわれています。ご自分でいろいろな角度で試し、もっとも飲み込みやすい姿勢で、毎日の食事をお楽しみください。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。